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蘇州の春宴 淡白さと濃厚さ

現代の中国では食事の重要性がかつてないほど大きくなっている。中国の一般市民がこれほど1日3食の食事を重視する時代はなかっただろう。安全性を重視するだけでなく、食事と健康との関係も追求し始め、自分の体の状態にどのように合わせるかも重視している。こうしたニーズから、四季の移り変わりに合わせて季節のものを食べるという昔からの「不時不食」(季節に合わないものは食べない)の考えが自然に再評価されてきている。人民網が伝えた。

日本は四季の移り変わりがはっきりとした国で、日本民族は昔から四季の変化に対する鋭敏な感受性を持っていた。その「食文化」を代表する「旬の味」は日本料理にその特徴がよく現れている。 日本の「旬の味」と中国の「不時不食」は似ている。中国の「不時不食」にも独自のこだわり、独自の哲学体系がある。「不時不食」に則り、季節の味を味わう、これが料理人の態度であり、中華の食文化の昇華と言えるだろう。

蘇州の春の食事では、菜の花やスッポン、ハゼ、タニシ、タラの芽、ニラ、筍といった様々な食材が使われる。

蘇州の春宴 淡白さと濃厚さ

蘇州は長江デルタ地域の農業文明の中心都市で、豊かな食文化を具えている。蘇州の飲食の中心的要素は「不時不食」であるが、蘇州も四季がはっきりとしていることが要因だろう。また周辺地域でさまざまな食材が豊富なため、一年中を通じて食材に事欠かない。蘇州の庭園で食事をするには、「四香」と呼ばれる花香、茶香、酒香、薫香(花、お茶、酒、お香)が必要だ。

ハゼのさっと煮

蘇州に住む人は清明節(4月5日頃)前にハゼを食べる。現地では、清明節を過ぎるとハゼは骨が多くなり、おいしくなくなるという言い方をする。正月を迎えると蘇州はハゼの季節に入る。ハゼはこの時期活発になり、石の間から頭を出して春を迎えようとするためだ。菜の花も黄色く色づき始め、「菜の花とハゼ」が市場に並ぶようになり、裕福な家庭でも貧しい家庭でもこの料理が食卓を賑わせる。

肉と筍の煮込み

春になると蘇州では肉と筍の煮込みが食卓にのぼる。地面から顔を出した筍は一番柔らかい時期だ。春の雨が降ると、蘇州では瑞々しい筍が顔を出す。一冬塩漬けにした肉もそろそろ食べ頃だ。蘇州人は春の筍に新鮮な豚足を加え、塩漬けにした肉と一緒に鍋で弱火で煮込むという革新的な方法で調理する。このスープは筍のやわらかさと肉や豚骨の味わいが相まって、とても味わい深い。まさに蘇州の春の味と言える。

青団子 伝統的な軽食

清明節の時期には火を燃やさないというしきたりに従って作られた、事前に準備されたもち米を使った軽食で、清明節にぴったりの食品だ。よもぎで鮮やかな緑に染めたかわいらしいこの春の軽食は、伝統的な手法ではかん水に一度くぐらせる。おそらくこのためか、農家の青団子は昔懐かしい味がする。